“If you’re playing for emotional satisfaction, you’re bound to lose, because what feels good is often the wrong thing to do.”
(感情的な満足のためにトレードするなら、負けは確実だ。気持ちいいと感じることは、往々にして間違った行動だからだ。)
ウィリアム・エックハート(William Eckhardt, 1944–)
名言の背景
ウィリアム・エックハートは、数学者出身の先物トレーダーであり、リチャード・デニスと共に「タートルズ」実験を設計した人物です。シカゴ大学で数学の博士課程に在籍していた経歴を持ち、統計学と確率論に基づくシステマティックなトレード手法の開発で知られています。
エックハートはタートルズ実験において「トレーダーは教育で作れる」というデニスの主張に対し、懐疑的な立場を取りました。この名言は、人間の感情的な本能がトレードにおいていかに逆効果であるかを数学的に分析した彼の結論を反映しています。
トレーダーへの教訓
含み損のポジションを「戻るかもしれない」と持ち続けるのは感情的に楽ですが、正しい行動は損切りです。逆に、含み益のポジションを「利益がなくなる前に」と早々に利確するのは安心感を得られますが、利益を伸ばす機会を逃します。正しいトレードは往々にして不快感を伴います。
この教訓をFXトレードに活かすには、「自分が今やりたいと感じていること」と「トレードプランが指示すること」を常に比較する意識が必要です。両者が一致していない時、プランに従う方が長期的に正しい結果をもたらします。感情は信号であって、従うべき命令ではありません。
出典
ジャック・D・シュワッガー『新マーケットの魔術師 — 米トップトレーダーたちが語る成功の秘訣』(原題: The New Market Wizards)、1992年、HarperBusiness。ウィリアム・エックハートへのインタビューより。