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「負けているポジションにナンピンするな」

“Losers average losers.”

(負けているポジションにナンピンするな)

ポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones, 1954–)
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名言の背景

ポール・チューダー・ジョーンズは、チューダー・インベストメント社を率いるアメリカのヘッジファンドマネージャーであり、マクロトレーディングの巨匠として知られる。1987年のブラックマンデーを事前に予測し、その暴落で莫大な利益を上げたことで一躍名声を得た。コモディティ、通貨、株式指数など幅広い市場でグローバルマクロ戦略を展開し、数十年にわたり卓越したリターンを維持してきた。

この名言はジョーンズが自身のトレーディングルームに掲げていたモットーの一つとして知られている。ドキュメンタリー映画『Trader』(1987年)でもその哲学が垣間見られた。ジョーンズは損失を出しているポジションに追加投資する行為を明確に否定しており、「負けトレードに資金を追加する者は負け組だ」という直截的な表現で、ナンピンの危険性を訴えた。

トレーダーへの教訓

ナンピン(平均取得単価の引き下げ)は、一見すると合理的に聞こえるが、実際には「沈む船にさらに乗客を乗せる」行為に等しい。価格が下がっているということは、自分の当初の見立てが間違っていた可能性が高い。そこにさらに資金を投入すれば、リスクは倍増し、一度の急落で致命的な損失を被りかねない。ジョーンズのこの一言は、損失管理の鉄則を最もシンプルに表現している。

実践では、ポジションを追加するのは利益が乗っているとき(ピラミッディング)に限定すべきだ。含み損のポジションに対しては、あらかじめ設定した損切りラインで機械的にカットする。「もう少し待てば戻るかもしれない」という期待は、ナンピン地獄への第一歩である。ポジションサイズを一定に保ち、負けトレードには追加しないというルールを徹底することが、長期生存の鍵となる。

出典

ジャック・シュワッガー『マーケットの魔術師』(原題: Market Wizards)、1989年刊。ジョーンズへのインタビューより。また、ドキュメンタリー映画『Trader』(1987年)でもその哲学が記録されている。

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