“The stock doesn’t know you own it.”
(株はあなたが保有していることを知らない)
ニコラス・ダーバス(Nicolas Darvas, 1920–1977)
目次
名言の背景
ニコラス・ダーバスはハンガリー出身のプロダンサーであり、独学で株式投資を学んで200万ドルの利益を上げたことで知られる異色の投資家である。世界中をダンス公演で回りながら、電報で株価をチェックし売買を行った逸話は有名だ。彼が考案した「ボックス理論」は、テクニカル分析の古典的手法として今なお参照されている。
この名言は、投資家が自分のポジションに感情的に執着することの愚かさを指摘したものである。株式は人間の期待や不安とは無関係に動く。自分が買った価格、含み損の大きさ、どれだけ調査したかなどは、株価の動きには一切影響しないという冷徹な現実を突きつけている。
トレーダーへの教訓
この名言が教えてくれるのは、市場に対する「感情の投影」を排除することの重要性である。多くのトレーダーは自分のエントリー価格を基準に「まだ戻るはず」と考えるが、市場はそのようなことには一切関心がない。ポジションの評価は常に現在の市場環境に基づいて行うべきである。
実践においては、「もし今ノーポジションだったら、この価格でエントリーするか?」と自問する習慣が有効だ。答えがノーならば、それは手仕舞いすべきタイミングかもしれない。感情ではなく現在の事実に基づいてポジションを管理することが、長期的な成功への道である。
出典
ニコラス・ダーバス著『私は株で200万ドル儲けた』(原題: How I Made $2,000,000 in the Stock Market)、1960年、American Research Council刊。